「人類は悩むこと自体がなくなる」と思って始めた

最初に思っていたこと

わたしは内航船員です。1か月単位で船に乗り、その間は家に帰れません。
コードは書けません。パソコンも、詳しいわけではありません。

そんな人間がAIを使い始めたとき、何を期待していたか。正直に書きます。

自分のやりたいことや、悩みを全て解決に導いてくれ、

人類は悩むこと自体がなくなると思った

大げさに聞こえるけど、本当にそう思ってました。

そして、最初に打ったのがこれです。

はじめまして。今日からあなたを、私の秘書として雇います。

まだ何も設定していないので、今できることを、専門用語を使わずに教えてください。

読み返すと、おかしな2行です。
「人類が悩まなくなる」と思っている人間が、「専門用語を使わずに」と頼んでいる。

期待は最大で、道具のことは何も分かっていない。
非エンジニアがAIを触り始めるときは、だいたいこの状態なんじゃないかと思います。

実際に起きたこと

悩みは、なくなりません。

手元の作業記録には、いま教訓が19件、踏んだ罠が23件残っています。全部、実際に踏んだものです。

  • 自動で動かす仕組みが、日本語のフォルダ名を開けなかった
  • バックアップが「成功」と表示されていたのに、1件も保存されていなかった
  • 月に1回の予約が、黙って「今すぐ実行」に化けていた

どれも「AIに聞けば解決する」種類の悩みじゃない。
聞く前に、そういう問題があること自体を知らなかったからです。

ただ、悩みが消えなかった代わりに、悩む対象のほうが変わっていきました。

頼み方が3段変わった

1段目:答えを求めていた

今できることを、専門用語を使わずに教えてください

最初は、こちらが何も知らないので、教えてもらうしかありません。

2段目:段取りを求めるようになった

先にどういう順番でやるか教えて。作業はまだしないで

なぜこう打つようになったのか。理由ははっきりしています。

勝手に進むので何をやっているかわからなくなった

ひとりに色々作業させていた

勝手に進む → 何をやっているか分からなくなる → だから先に順番を出させる。

思いつきじゃなくて、困ったことへの対処です。
AIは頼めば動きます。動きすぎるほど動きます。
止めておいて、先に順番だけ見せてもらう。この一言を覚えてから、やり直しがすごく減りました。

3段目:仕組みを求めるようになった

そういう、システムを作って欲しい

こういうのをあなたが考えて、実行するスキルを作って欲しい

同じ困りごとが2回来たら、その場で直すのをやめて、次から自動でそうなる形にしてもらう。
一度作れば、こちらが覚えていなくても動きます。

短く言うほど、うまく動くようになった

最初は「今できることを、専門用語を使わずに教えてください」と長く書いていました。

いま実際に打っているのは、こういう言葉です。

おすすめで

動いて

持ち出し

ざっくりでいいよ

任せます

数えたら、1文の長さは中央値で33字。説明していません。

変わったのはAIではありません。頼む側です。
何を任せられて、何は自分が決めないといけないか。それが分かってくると、言葉は短くなります。

いま思っていること

最初は「人類は悩むこと自体がなくなる」と思っていました。
いまはこう思っています。

お願いすればパソコンでできる作業は、あらかたのことはやってくれる

期待が小さくなったんじゃなくて、正確になった。

「悩みが全部消える」には、範囲がなかった。
いまの言い方には、範囲が2つ入っています。「お願いすれば」と「パソコンでできる作業は」。

頼み方が要ること。そして、パソコンの外にあることは自分がやること。
この2つが分かるまでに、罠を23個踏みました。


次にやること(この記事の続きに書く予定)

踏んだ罠を、1つずつ書いていきます。
どれも「よくある失敗」ではなく、こちらが実際に踏んで、直したものです。

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